‘治療家の心得’ カテゴリーのアーカイブ

治療家の心得9

2009年12月21日 月曜日

原則9 治療環境を考える。

治療所の立地条件は、いいに越したことはない。
看板や待合室、治療室の雰囲気はあまり華美にならない方が良い。
しかし立地条件や看板、広告だけでは人は集まらない事を心し、むしろ原則1(去る者追わず、来る者拒まず)が最も重要である。
治療室等の掃除をまめにし、清潔な環境を保つ事の方が重要である。

立地条件、重要です。道1本挟んだだけでなぜか全然雰囲気が違うものです。ちょっとした坂の具合、日の当たり方、風の抜ける方向などなど要素は数限りなくあります。

それに患者さんが居て心地良いのは勿論ですが、まずは自分が居心地よくないと。

治療はケとハレのはざまに位置しているような気がします。そんな微妙な空間はやっぱり余計なものを置いたり、飾ったりしないで清潔にしておかなくちゃね。

結局、自分が治療を受ける側だったら、どんな治療院でどんな鍼灸師に治療をしてもらいたいか、ってことでしょうか。好みは色々でしょうが、「こんな人に治療されたくない」って意見は結構みなさん同じなのでは?

今回で会長訓示「治療家の心得」終了です。

次回は何を書けばいいかなぁ。D先生とうしましょうか。

治療家の心得8

2009年12月14日 月曜日

原則8 機械にたよらない。

〇感覚的な診断と治療が鍼灸医術の真髄であるから、可能な限り機械的な手段を導入しない。

鍼灸は本当の意味でプロフェッショナルを目指さないと面白みを味わい尽くせない仕事です。自分が触ってあれこれ考えるから面白さもわかってきます。機械に任せるなんてもったいない!

ところでインドネシアのとある島では、「よい壺にはプラーナが入っている」という表現をするそうです。それは作り手の魂というか、息吹というかそういうものが入っているということで、プラーナが入っている作品は、すばらしい作品なのです。

人が触れるということは、ものすごく大切なことで、一見、機械で作るのとまったく同じ形の壺を作っているように見えても、出来上がった壺は「何か」が確実に違うのです。

どれだけ機械が進化しても、絶対に人に及ばない部分があるって考えると、やっぱり人間すごいです。

でもあんまり機械に頼ってばっかりいると、「すごい部分」がどんどん減ってくんだろうな。感性が鈍くならない様に気をつけないと。

治療家の心得7

2009年11月30日 月曜日

原則7 人をたよらない。

〇人にたよるのを最後の手段とし、可能が限り治療内容を自分で追求する。
そのためには漫然と治療しないで、治療内容は必ず記録する習慣を身につけ、後日の参考にする。
一度失敗した症例について、1年後同じ失敗を重ねない様な心積りが望まれる。

継続的に患者さんをみていく場合、以前と同じ様な症状が出てても原因が違うことが多々あります。

腰の同じところを同じように痛がっているのに……。なんでこんな脈? この指標が顕著なんて珍しいな、なんで?

そういった情報から今回の腰痛の原因は……と因果関係を導き出すわけですが、この情報って他人には伝えにくい。あくまで「私」のみた感じなのです。

大体同じように鍼をしたって同じような結果が出なかったりするんだから(泣)。

もちろん、経験豊富な先生方のアドバイスは身体を「みる視点」を変えるのにとても大切です。

でも結局は患者さんと1対1で向かいあっているのは自分だと自覚してないと、患者さんに対して責任とれないし、自分の鍼灸に対する信念も揺らいでしまいますよね。

そしてやっぱりオチは信念持って鍼灸やってる先生はかっこいい、です。

治療家の心得6

2009年11月16日 月曜日

原則6 人と交わる。

〇治療家同志の関係を大切にする。
えてして治療家は独善的になりがちで、自分の経験を最良とし、情報に関しては排他的、非公開的になりがちである。
そのため性格は懐疑的かつ内向的になりやすい。これは旺盛な問題意識を持つことといささか異なる。
失敗成功にかかわらず、自分の経験を公開し、何かの情報を得たならば、みかえりとして相手にも何かを与える心構えが好ましい。
定期的に参加する団体や学会或いはグループを何か持つ事が望ましい。

治療家に関わらず、考える動物=人としての有り様ですよね。

否定する前に先入観を持たず吟味して、正しいと思えば採用すればよい。よく知らないのに否定してはいけない、と私自身つい最近、とある講演で聴いたばかり。そしてそれがなかなか難しい。

新しいことを受け入れるのは、今までの自分を否定しかねないわけで、とても勇気のいることなんです。 しかし、1つのことに固執しているとそれだけ自分の可能性は減っていって味気ないことになってしまいます。

20年位前にPARCOのCMでJ.ガルシアがバラの花を1本持って「可能性を信じること」と言ってましたが、可能性を信じられる自分でいることが大切ってことかとも考えてみたりしています。それは自己満足とは違う確たる自信がある証拠で、つまりそういう人は余裕があるから心が広い。

で、結局「治療家の心得」とはいいながら人として魅力があるっていうのはどういうことかということを言われている気がするなぁ……と前回の原則5の時と同じオチに至ってしまいました。

治療家の心得5

2009年11月2日 月曜日

原則5 裏学問を持つ。〇原則4(視野を広げる)に通じるが、趣味を持つことはもちろん、その内容の一つを専門的な力量を備えるまで深める努力をする。
そのことが専門の医療の内容を豊かにする。

 

ある一つのことを一つの方向から学ぼうとするのはとても大事なことです。

そしてそのことを別の方向から、学ぶ発見をすることはもっと貴重です。

視点を変えるというのは、わかっているようでなかなか出来ないことですよね(私だけかしら)。

世界というのは結局すべて繋がっていて、まるで関連していないことのように思えても、案外根っこのところが共通だったりしている。

だから、一方向からだけ見て解からなかったことが、全く違う種類のことがヒントになって「あ、そういうことか!」と分かることってすごく多い。

と、抽象的なことを書いてみましたが、結局、裏学問を持っている人は人柄とか雰囲気に奥行きがあって魅力的に見えるってことかしら。

治療家の心得4

2009年10月6日 火曜日

原則4 視野を広げる。

〇専門である東洋医学の分野、現代の常識である西洋医学の分野、さらに医学以外の分野で  ある文学、音楽、絵画なので幅広く関心を持つ。 来院する患者の持つ人間的内容は測り知   れず、術者の人間的な度量の大きさに比例して、 接し得る患者の数は多くなる。                         つまり医術を施す事は病を癒すことに留まらず、病を通じて、その人を癒すことに通じる。

私の普段診ている患者さんはほとんどが人生の先輩 。だから私の知らない様々な経験や世界観を聴き、味わう。必要あれば調べる。どんなきっかけであろうが、知ろうとすることに無駄は無く、自分にとってプラスになる。それを通じて患者にとっても影響することは確かで、私はこれからも色んなものに興味を持つべきで、それが時には面倒でも。

最近患者の質が変わってきた。自分を高める ための、私の為の課題かのように。

うあー・・・頑張らなきゃ。うあー・・・頑張ろう。どっちなの? 気持ちは両方。 詔司先生

こっそり撮ってみました。

治療家の心得 3

2009年9月7日 月曜日

ちょっと間が開きましたが、またぽつりぽつりと会長心得を掲載します。

原則3 患者の質問に答える。

〇患者の自分の病や生活の仕方の質問について、誠意を以って答え、わからない点は後日答えることとし、決してその場をごまかさない。

 

自分が病んでみるととてもよく分かりますが、「体調が悪い」、「どこかが痛い」というのはとても心細いものですよね。

患者さんと一緒に考えて一緒に治療をしていくのが大事です。

ちなみにわたしは最近、円形脱毛部位を自分の頭に発見しました。いつからあったのかしら……。気付いてからは広がるでもなく、髪が生えてくるでもなくという日々が続いていますが、鍼灸師なので原因と対策を自分で考えてます。

治療家の心得 原則2

2009年7月23日 木曜日

治療家の心得 原則2

〇患者の話の内容はもちろん、患者の身体そのものから可能な限り情報を得る。そのためには、質問は控え目に、あせらず患者の話を聞く側に回る姿勢が好ましい。

 便通、睡眠、食欲を質問の3原則とし、医学的な解説は患者に求められた時に限り、やたら知識をひけらかさない。

さて。順調に申し込みがきている夏期学生セミナーですが、質問があったのでお答えします。『昨年参加しのですが、今年も内容は同じですか?』と。基本的には同じです。参加経験者はご存知の通り、セミナーは6人程で1グループを構成して、そこに講師が付きっ切りで指導していきます。講師は講義内容ごとに担当のグループを交代していきますので、同じ先生に同じことを教わることは、まずありません。また、1年という時間で人は大きく成長します。一度読んだ本を読み直して、新鮮だったり新しい発見があるように、同じ内容と思っていても理解度も違ってきますので、一度出て内容知っているから、今年は出なくていいかなーと思っているなら、是非今年も参加してみて下さい!2回目こそお勧めですよー。

さてさて、先週の日曜で『大阪日曜基礎Ⅰコース』が半分(6回/12回)終了しました。積聚会の講習会は、各コースとも基本的に講師は1年間通して講義を行いますが、『大阪日曜基礎Ⅰコース』だけが半期(6回)で講師がかわります!積聚会の講師達は皆自分の治療院や勤務先があるので、なんとか自分のスケジュールを調整して講師をしています。東京から大阪まで通っての講習会は都内でやるよりずっと大変ですから、2人で行っているのが現状です。でも基礎Ⅰコース12回の内容は決まっていますし、教え慣れた2人の講師ですのでスムーズに講習会は進んでいきます。1つのコースを2人の先生から教わるのは実はとても貴重な機会です。同じ事を聞いていても、講師の先生の経験や表現によって、講義内容が理解しやすくなることが多々あります!そういった意味で『大阪日曜基礎Ⅰコース』は面白い。ちなみに講師をつとめる2人の先生、2人とも同じ名前のK藤先生です(笑)たまたまですが。そんなわけでK藤先生お疲れさまでした!K藤先生後半よろしくお願いしまーす。

治療家の心得 原則1

2009年7月18日 土曜日

写真では見づらいですので誰かが少しずつアップしてくれると思います。と、編集長に振られた感があるのでアップします(笑)。『積聚』という会報誌は現在の『積聚会通信』が始る前まで作られていた会誌です。私が入会したころには既に通信になっており、当時お茶の水にあった『積聚会センター(事務局)』から許可を得て、在庫を借りてコピーしたのを覚えています。その当時は現在のように積聚治療に関する情報が多くなかったので、貴重な資料でした。今は大変恵まれていますよ。本もあるし、原稿も多いし、勉強会も充実しているしー(笑)。さて、この治療家の心得には原則1~9まであります。毎回1原則ずつアップしていきまーす。

原則1 去る者追わず、来る者拒まず。

〇去るものの原因を思いめぐらし、治療の効果が思わしくなかったため、とするうことを原則とする。来る者に対しては,人品の如何にかかわらず、こちらの体力に応じて誠意をもって接する。

 つまり術者の力量が患者の病状に応じたときに双方の喜びがあり、その病状が術者の力量を越えた時には、往々にして患者は去る。

 喜びを覚えた患者に人を紹介する社交性があれば、さらに患者は集まる。

 金銭に対してはもちろん、すべてに対して淡々として、こだわりのない姿勢が患者との信頼関係を増す。

 患者に対しては、明るい態度で接し、たとえ家族関係の者でも話の内容を他言しない、という秘守の姿勢が、患者の信用を得ることにつながる。

 来院する患者の質は、術者の質を表す。 

写真は太子堂近くの民家の庭から顔を出していた向日葵。夏だねー。

7月向日葵